いま医療従事者にとって「地域包括ケアシステム」は、非常に重要な概念となっています。にもかかわらず病院の皆さんから良く聞くのは、大多数の本音だと「実は真面目に考えたことないんです。結局、地域包括ケアって何なんでしょうか?」で、他方、MSWやケアマネジャーなど高齢患者相手に日々ガチンコで取り組んでいる方々に言わせれば「システムを考案された先生方には大変失礼ですが、実際そんなモノ(システム)は存在しないと思うんです!」というものです。結局これら両極の二つを合わせて、「地域包括ケアって何?」がこの手の議論の、永遠のメインテーマとなっています。
専門外とは言え、いちおう教授なので、蘊蓄を「たれ」なければならない機会があったりします。そこで良く持ち出すのが、理解のポイントになるであろう「包括」の意味です。日本語で辞書引いても良くわからないので、それなら英単語!となるのですが、専門の学者や理事長先生が良く仰るのは、「地域包括の“包括”は、“comprehensive(全部を含む)”ではなく、“integrated(統合された)”である」というもの。しかしながら、病院研修の私の教え子さんたちは「余計イミフメイになった‥」という顔をするので、私は理解優先でいい加減に、「ラーメンのトッピング全部のせ」的なのが“comprehensive”で、「子どものブロックおもちゃの合体ロボ」的なのが“integrated”‥なんて説明をしています。
地域包括ケアシステムは、体系だった全体を持つ“integratedケアシステム”です。言わば合体「トランスフォーマー」的なロボットの頭、胴体、手足の各パーツが一つ一つ小さな「レゴ」ブロックなどでキレイにカチッと仕上がっていて、胴体の上に頭のパーツ、両脇に腕のパーツなど、それぞれが然るべきところにガチャン、シャキンと組み上げられていくと、「元々はそれぞれ小さなブロックだったのに、あらまぁ不思議、格好いい立派なロボットになって敵を倒す‥」となる。その勇姿漲る「合体ロボット」こそがわれわれが求める「ケアシステム」で、それには厚生労働省から国民に向けて明確なイメージが提示されており、それが「“住まい”を中心に、医療と介護と生活支援・介護予防が三方からケアしあう」あのポンチ絵(厚生労働省「地域包括ケア研究会報告書」2013:こちらの政府HP)となるわけです。つまり、私流の合体ロボ解説で言えば、胴体が住まい、右手が医療、左手が介護、両足が支援と予防(頭になるのは患者・家族か?ケアマネか、SWか?)で、「2025年の団塊世代後期高齢者化時代に備えるフォーメーションこそ、この地域包括ケアだ!」というのを「永遠のメインテーマ」に対する回答としています。
さらにもう一つ、現実的なありようを表現する英単語があるのではないかと思っています。“comprehensive(全部のせラーメン)”と“integrated(一つになった合体ロボ)”の中間にあるであろう、発展途上にある地域ケアの現実を含ませた単語がそれです。英語嫌いが言うのも何なのですが、“integrated”の手前には、国際援助ビジネス絡みで近年ちらほら耳にする“inclusive(人・モノ・考えを何とか広く含んだ)”な段階があり、多くの現場の実態はほとんどこのレベルにある、というのが私のイメージです。“inclusive”だと「持続的で意味があるなら、それもアリ」的な鷹揚なニュアンスが加わってきます。合体ロボの例で言えば、パーツ自体は現場なりに思い思いそれぞれ勝手にカッチリ固めてきてはいるのですが、頭でっかちだったり無かったり、機能が被っていたり互いに干渉していたり、組み上げ方が逆さまだったり中途半場だったり、何かがスッポリ抜け落ちていたり‥と、とても“integrated”と言えるような格好いい代物では決してない。でも何とか元気に動いている。日本では廃車同然のクルマが部品適当に組んで、屋根なんか吹っ飛んだままアフリカで現役バリバリ。途上国で、援助支援をしながら営利も求めるBOP(ベース・オブ・ジ・エコノミック・ピラミッド:こちらの政府HP)ビジネスのような、そんな、“inclusive”なケアシステムです。
地域医療と介護の現場には、非営利から営利までごちゃ混ぜのまま、元々そうした主体的な各パーツが諸々既に活動していて、たまたま偶然パーツ同士がパチンとはまり、完全無欠に仕上がった(integrated)ロボットとまではいかないけれど、敵から何とか身を守り、地域を支えてきている仕組みがある。こうした途上国的雑然(inclusive)を醸し出す、かなり不格好な“inclusiveケアシステム”を、元々あったケア主体の固まりの機能と地力を活かしつつ、環境と制度に合わせてどうシェイプ、リメイクしていくか。さらに、どう効率化を図っていくか。このプロセスが「地域包括ケアシステムの構築」である、と講義で説明している現在です(結局解りにくくてすみません)。
専門外とは言え、いちおう教授なので、蘊蓄を「たれ」なければならない機会があったりします。そこで良く持ち出すのが、理解のポイントになるであろう「包括」の意味です。日本語で辞書引いても良くわからないので、それなら英単語!となるのですが、専門の学者や理事長先生が良く仰るのは、「地域包括の“包括”は、“comprehensive(全部を含む)”ではなく、“integrated(統合された)”である」というもの。しかしながら、病院研修の私の教え子さんたちは「余計イミフメイになった‥」という顔をするので、私は理解優先でいい加減に、「ラーメンのトッピング全部のせ」的なのが“comprehensive”で、「子どものブロックおもちゃの合体ロボ」的なのが“integrated”‥なんて説明をしています。
地域包括ケアシステムは、体系だった全体を持つ“integratedケアシステム”です。言わば合体「トランスフォーマー」的なロボットの頭、胴体、手足の各パーツが一つ一つ小さな「レゴ」ブロックなどでキレイにカチッと仕上がっていて、胴体の上に頭のパーツ、両脇に腕のパーツなど、それぞれが然るべきところにガチャン、シャキンと組み上げられていくと、「元々はそれぞれ小さなブロックだったのに、あらまぁ不思議、格好いい立派なロボットになって敵を倒す‥」となる。その勇姿漲る「合体ロボット」こそがわれわれが求める「ケアシステム」で、それには厚生労働省から国民に向けて明確なイメージが提示されており、それが「“住まい”を中心に、医療と介護と生活支援・介護予防が三方からケアしあう」あのポンチ絵(厚生労働省「地域包括ケア研究会報告書」2013:こちらの政府HP)となるわけです。つまり、私流の合体ロボ解説で言えば、胴体が住まい、右手が医療、左手が介護、両足が支援と予防(頭になるのは患者・家族か?ケアマネか、SWか?)で、「2025年の団塊世代後期高齢者化時代に備えるフォーメーションこそ、この地域包括ケアだ!」というのを「永遠のメインテーマ」に対する回答としています。
さらにもう一つ、現実的なありようを表現する英単語があるのではないかと思っています。“comprehensive(全部のせラーメン)”と“integrated(一つになった合体ロボ)”の中間にあるであろう、発展途上にある地域ケアの現実を含ませた単語がそれです。英語嫌いが言うのも何なのですが、“integrated”の手前には、国際援助ビジネス絡みで近年ちらほら耳にする“inclusive(人・モノ・考えを何とか広く含んだ)”な段階があり、多くの現場の実態はほとんどこのレベルにある、というのが私のイメージです。“inclusive”だと「持続的で意味があるなら、それもアリ」的な鷹揚なニュアンスが加わってきます。合体ロボの例で言えば、パーツ自体は現場なりに思い思いそれぞれ勝手にカッチリ固めてきてはいるのですが、頭でっかちだったり無かったり、機能が被っていたり互いに干渉していたり、組み上げ方が逆さまだったり中途半場だったり、何かがスッポリ抜け落ちていたり‥と、とても“integrated”と言えるような格好いい代物では決してない。でも何とか元気に動いている。日本では廃車同然のクルマが部品適当に組んで、屋根なんか吹っ飛んだままアフリカで現役バリバリ。途上国で、援助支援をしながら営利も求めるBOP(ベース・オブ・ジ・エコノミック・ピラミッド:こちらの政府HP)ビジネスのような、そんな、“inclusive”なケアシステムです。
地域医療と介護の現場には、非営利から営利までごちゃ混ぜのまま、元々そうした主体的な各パーツが諸々既に活動していて、たまたま偶然パーツ同士がパチンとはまり、完全無欠に仕上がった(integrated)ロボットとまではいかないけれど、敵から何とか身を守り、地域を支えてきている仕組みがある。こうした途上国的雑然(inclusive)を醸し出す、かなり不格好な“inclusiveケアシステム”を、元々あったケア主体の固まりの機能と地力を活かしつつ、環境と制度に合わせてどうシェイプ、リメイクしていくか。さらに、どう効率化を図っていくか。このプロセスが「地域包括ケアシステムの構築」である、と講義で説明している現在です(結局解りにくくてすみません)。
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