余裕ある最新施設に最高のスタッフを多数揃え、医療圏の患者を全て受け入れて、その全てに最適かつきめ細かな医療を施す。それが可能なら、医療機関としての社会責任をしっかりと果たし、地域に胸を張ることができるでしょう。しかしながら現実問題として、それは理想に過ぎません。施設面もスタッフ面も、余裕のある病院はごく稀です。医療資源は現時点でも相当限られていて、今後はもっともっと厳しくなります。理想の地域医療を現実化させようとすれば、それは経営側が膨大なコスト支出を覚悟するか、現場の労働力に多大な負荷をかけるか、のいずれかの選択になってしまいます。
医療者には応召義務があります(医師法19条)。たとえ深夜でも、休診日と設定した曜日であっても、急患があれば診療しなければなりません。その一方、現代の地域医療では、機能の分化、分担・連携と適正な配置(ポジショニング)がなされています。夜間に救急を受ける機能や集中的に高度な医療を提供する機能(ショートポジション)、中長期にわたって回復・療養を支援する機能や在宅復帰後の在宅医療を支援する機能(ロングポジション)という二つのポジションが、それぞれ分化するとともに融合しています。その他にも診療科など、得意分野別の分化、分担があります。これら高度に分化・分担された地域医療のシステムが高度に連携し、地域全体で応召義務を果たしているという解釈があって初めて、個別レベルで「受け入れを拒む」ことが可能となるのでしょう。
以上の環境を踏まえ、各医療施設運営の「効率」を求めつつ、患者が求める医療「効果」の最大化を図る方法こそ、皆さんがた医療従事者が常日頃から重ね重ね仰る「地域医療連携」です。とはいえ現状はどうでしょうか。はっきり申し上げれば、「言うは易く行うは難し」にあるのが現状でしょう。効率的かつ効果的な連携は遅々として進まず、相変わらず各経営のコスト負担と各現場の労働負荷に頼り切っているのが実態です。「受け入れを拒」めば「たらい回し」とまで言われます。では、なぜ進まないのでしょうか。私は、「地域医療連携」はあくまでも目標・目的であって方法・手段ではない、医療者の皆さんはそこが整理できていないのではないか、と考えています。もっと言えば後者の「手段・方法」のアイデア不足、連携のために何をするか、の「何」が未だ未だ足りないのです。
「手段・方法」として現在行われているのは、大きく「地域連携パスの整備」と「顔が見える連携(地域レベルでの会議開催)」の二つでしょう。非常に堅実で、網羅的な取り組みだと思います。皆さん各自の職場での激務をこなした上で地域の会議に出席しているのですから、本当に頭の下がる思いです(不真面目な私には真似できません)。しかしながら敢えて言わせて頂ければ、そこには「戦略性」がない。経営学的に格好良く言えば、「戦略的マーケティング」がないのです。
この流れで考えられる定石的な「手段・手法」は、マーケティング活動の第一歩「セグメンテーション」だと思います。英語の直訳だと「分割、分裂」、経営学(マーケティング論)の定義だと「不特定多数の人や組織を同じ特性やニーズを持つ固まり(セグメント)に集めて分け、それぞれに特化する対応をとって、自らの内部効率性と外部との競争力を高めること」です(こちらにつづく)。
以上の環境を踏まえ、各医療施設運営の「効率」を求めつつ、患者が求める医療「効果」の最大化を図る方法こそ、皆さんがた医療従事者が常日頃から重ね重ね仰る「地域医療連携」です。とはいえ現状はどうでしょうか。はっきり申し上げれば、「言うは易く行うは難し」にあるのが現状でしょう。効率的かつ効果的な連携は遅々として進まず、相変わらず各経営のコスト負担と各現場の労働負荷に頼り切っているのが実態です。「受け入れを拒」めば「たらい回し」とまで言われます。では、なぜ進まないのでしょうか。私は、「地域医療連携」はあくまでも目標・目的であって方法・手段ではない、医療者の皆さんはそこが整理できていないのではないか、と考えています。もっと言えば後者の「手段・方法」のアイデア不足、連携のために何をするか、の「何」が未だ未だ足りないのです。
「手段・方法」として現在行われているのは、大きく「地域連携パスの整備」と「顔が見える連携(地域レベルでの会議開催)」の二つでしょう。非常に堅実で、網羅的な取り組みだと思います。皆さん各自の職場での激務をこなした上で地域の会議に出席しているのですから、本当に頭の下がる思いです(不真面目な私には真似できません)。しかしながら敢えて言わせて頂ければ、そこには「戦略性」がない。経営学的に格好良く言えば、「戦略的マーケティング」がないのです。
この流れで考えられる定石的な「手段・手法」は、マーケティング活動の第一歩「セグメンテーション」だと思います。英語の直訳だと「分割、分裂」、経営学(マーケティング論)の定義だと「不特定多数の人や組織を同じ特性やニーズを持つ固まり(セグメント)に集めて分け、それぞれに特化する対応をとって、自らの内部効率性と外部との競争力を高めること」です(こちらにつづく)。
0 件のコメント:
コメントを投稿